実務

解体工事の届出に必要な書類をご紹介!鍵は廃材の予定数量!

家屋の解体工事に提出する書類って、複雑でよくわからないですよね?
延べ面積で提出する書類が変わったりしますからね。

という疑問を抱えている方のお悩みを解決できる記事になっています。

私の会社では、公共工事での解体だけでなく個人の家の解体工事も実施しており、私は実際に届出に必要な書類一式の作成をしているからです。

記事では、必要な書類の詳細について、具体的に説明致します。
また、意外と難しい、廃材の予定数量についても解説致します。

実際に工事を担当しなければ書類を用意することもないとは思いますが、参考になると思います。

解体工事の届出に必要な書類

基本的に地方自治体によるのですが、提出する書類に大きく違いはありません。
着工前には「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称:建設リサイクル法)」に基づいた届出です。
建設リサイクル法の対象工事は下記に当てはまる工事です。

(1)下記の特定建設資材が使われている構造物
・コンクリート
・コンクリートと鉄から成る建築資材
・木材
・アスファルト・コンクリート
かつ
(2)床面積の合計 80平方メートル以上

まず(1)が使われていない家は無いと思います。
そして、(2)は小さい家では当てはまらないことがありますが、ほぼ該当します。
(2)の80平方メートル以上、というのは解体工事の場合のみで、新築、リフォーム、土木工事では条件が異なるのですが、今回は省略させて頂きます。

提出する書類は、建設リサイクル法に基づく書類になります。
大体、以下の書類になります。

・所定の届出書類
・分別解体等の計画
・石綿(アスベスト)除去作業に伴う書類

入社してから、沢山の家の解体届を作成してきましたが、石綿の除去作業に伴う書類は作成したことがありませんので、今回は省略し、2つの書類について解説します。
ちなみに、基本的に施主(発注者)が申請するのですが、余りにも専門的な事項が多く、委任状も作成し、書類の作成も請け負っています。

所定の届出書類

頭に、”届出書” と記載されている書類です。

・施主の住所、氏名、郵便番号、電話番号
・工事の概要(工事名、工事の場所、工事の種類及び規模、請負・自主施工の別)
・元請業者
・対象建設工事の元請業者から法第12条第1項の規定による説明を受けた年月日
・分別解体等の計画書
・工程の概要

これらのうち、分別解体等の計画書については、解体工事は別表1により記載、なので、別紙になります。
工程の概要も(出来るだけ図面・表等を利用することとし、・・・)あるので、「別紙のとおり」と記載し、別紙にします。
また、解体建物の写真、案内図(地図)も提出する必要があります。
ちなみに、この届出は、工事着手予定日の7日前までに提出する必要があります。

分別解体等の計画書

都道府県で少しフォーマットが違いますが、大体記載することは同じです。

・建築物の構造
・建築物に関する調査の結果
建物の状況、周辺状況
・建築物に関する調査の結果 及び 工事着手前に実施する措置の内容
作業場所、搬出経路、残存物品、特定建設資材への付着物、その他
・工程ごとの作業内容及び解体方法
・工事の工程の順序
・建築物に用いられた建設資材の量の見込み
・廃棄物発生見込量
・備考

東京都と山口県では、”特定建設資材への付着物、その他” の項目が異なりました。
東京都は石綿やフロンについてもチェックを入れるようになっていますが、山口県では記載する必要があります。
基本的に書き方の例があるので、それを参考にすれば大体分かると思いますが、問題となるのが建設資材の量の見込みと、廃棄物発生見込量だと思います。

建設資材の量と廃棄物発生量をどう計算するか?

書き方の例では、しれっと書かれているのですが、実はこの見込みではあるのですが、建設資材の量と廃棄物発生量の計算が難しいです。
私も毎回悩みます。
まず廃棄物発生量から説明します。
これは建設リサイクル法の対象の3品目の発生量を記載するものです。
3品目は以下になります。

・コンクリート塊
・アスファルト・コンクリート塊
・建設発生木材

この3品目については、再資源化することが義務付けられています。
当然、がれき類、ガラス・陶磁器くず、廃プラスチック、金属くず、混合廃棄物など、他の産業廃棄物も存在するのですが、この3品目だけ個別に発生量の計算が必要です。

発生量は トン(重量) で記載する!

この3品目については、公共工事においても発生見込量を記載し、契約時に書類を提出します。
公共工事では立方メートルまで計算されていることが多く、重量への換算係数をかけて、重量を計算するします。
それでも、工事が完了し、実際の廃材量と当初計算した見込み量を比較すると、違うことが多々あります。
個人の家では実際に発生した廃材量まで報告することはほとんどありませんが、法律では完了報告することになっています。
ですが、いざ、記載しようとすると、どう計算すれば? となると思います。

正直に書くと、計算方法はあります。

ですが、それは会社の企業秘密であるので、書けませんし、それぞれの会社でやはり算出方法があると思います。

家屋の構造ごとに発生する廃棄物の量の相場、というのがありますので、参考になると思います。
あくまでも参考です。
実際に解体する家屋によって、コンクリートの土間があって、コンクリート量が増える、などもあります。
なので、一概にこれ、というのは難しいです。
建設資材の量の見込みは、3品目のみならず、廃材全ての見込み量になります。
先程も書いた、がれき類、ガラス・陶磁器くず、廃プラスチック、金属くず、混合廃棄物など全ての廃材を含んだ量です。

これもトン(重量)記載です。

いざ、書類を作成する時に、この見込み数量の算出が分かりにくく、鍵になると思います。

除却届

解体届とは別に、10平方メートル以上の建物を除却する場合、建築物除却届も提出する必要があります。

まとめ

結局、解体工事を実施する際に必要な書類をまとめると下記になります。

提出書類

・届出書
・分別解体等の計画書
・工事の工程表
・案内図(地図)
・解体対象の設計図 または 建物の写真
・委任状
・建築物除却届

意外と量があります。
逆に建物の解体には、これだけの書類と手続きが必要、ということです。
今回は石綿が吹きつけられている建築物の解体については記載しませんでしたが、さらに書類が多くなります。
そして、私はこれからも廃材の数量計算に悩む日々が続きます(^_^;)

書いた記事が少しでも参考になれば、幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。