実務

石膏ボードや断熱材は産業廃棄物の分類では何になる? 詳しく解説!

土木や建築だけでなく、建設工事の全てで産業廃棄物は分別廃棄され、法律に基づきマニフェストを交付して処理をしていると思います。
現場で廃材を運んでいるだけだと、どこの処分場に、どの廃棄物を持って行って、このマニフェストで、なんてことが多くて、契約がとうなってるとか、マニフェストが正しいのかとか意識しないことが多くありませんか。
特に、石膏ボードや断熱材などは、分かりにくいですよね。

という疑問をお持ちの方に、どれに該当するか、ズバリお答えします。

というのも、私が上司に問いただされて、即答できなくて、勉強したからです。

記事では、まず産業廃棄物の分類を簡単に紹介し、石膏ボード、断熱材について解説します。具体的に、建築物のどのような場所で使われいるのかを説明し、私が即答出来なかった理由を説明します。

この記事を読み終えることで、石膏ボードや断熱材の分類に悩むことはなくなります。

そもそも産業廃棄物とは?

廃棄物については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)で定めれており、簡単に記載すると下記になります。

・産業廃棄物
事業活動に伴って発生した廃棄物であり、法律に定められた20種類

・一般廃棄物
産業廃棄物以外

産業廃棄物の分類は次のようになります。

(1) 燃え殻
(2) 汚泥
(3) 廃油
(4) 廃酸
(5) 廃アルカリ
(6) 廃プラスチック類
(7) ゴムくず
(8) 金属くず
(9) ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず
(10) 鉱さい
(11) がれき類
(12) ばいじん
(13) 紙くず
(14) 木くず
(15) 繊維くず
(16) 動植物性残さ
(17) 動物系固形不要物
(18) 動物のふん尿
(19) 動物の死体
(20) 以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの(例えばコンクリート固型化物)

産廃知識 廃棄物の分類と産業廃棄物の種類等
公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター

 

上記リンクにズバリ書いてあるのですが、石膏ボードは「(9) ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず」に分類されます。

断熱材については、どこにも記載がありませんが、やはり「(9) ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず」に分類されます。

理由をそれぞれの素材から説明します。

石膏ボード

石膏ボードは建物の天井・壁に多く使用されています。
名前の通り、石膏をしん材にし、両面を石膏ボード用原紙で被覆成型したものです。
鉄筋コンクリート造の学校の天井などは、ほとんど石膏ボードだと思います。
簡単に加工できることから、建物で多く使用されています。

素材に石膏を使っているから、陶磁器くず、として扱います。
石膏が石材だからです。
ですので、分類が「ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず」となります。

逆に解体においても、非常に多く発生します。
私が勤めている会社では、廃石膏ボードは集積し、再資源化施設に運んでいます。

私が回答できなかった理由

よくよく考えれば、なるほど、となる、陶磁器くず、なのですが、私は回答出来ませんでした。

理由です。

  • リサイクルに出していることを知らなかった
  • 公共工事での設計書の廃材一覧に記載がなく気付かなかった

リサイクルに出していることを知らなかった

恥ずかしい話ですが、再資源化施設に運んでいることを知りませんでした。

ケース・バイ・ケースなので、絶対にこれが正しい、とは言えませんが、内装に多く使われているからと言っても、民家を1軒解体してもダンプ1台分にもならないことがあります。

学校、集荷場などの大きな倉庫になれば、ダンプ数台分になりますが、大体、集積してまとめて運ぶことが多いです。

木くずなどは自分の会社に中間処理施設がありますし、建築リサイクル法で定められていますので、再資源化報告書に数量を記載しますが、石膏ボードは対象外です。

なので、当初はリサイクル施設に運搬していることすら知らなかったです。

公共工事での設計図書の廃材一覧に記載がなく気付かなかった

入社してから、色々と公共事業での解体も経験しましたが、学校は3件ほどです。

そのうち、1件は入社した時には既に内装解体を実施している状況で、最初から工事に携わったのは2件ほどでした。

珍しいことに、うち1件は内装材に石膏ボードは使用されていませんでした。

もう1件は内装部材などが記載された図面があり、天井に石膏ボード、と記載されていました。
そこで気づけばよかったのですが、廃材予定数量の一覧を作成する際、設計図書の設計数量から廃材の数量を拾ったのですが、その一覧に石膏ボードと記載はありませんでした。

当然ですよね、廃材となれば、陶磁器くずとして記載があるだけです。
廃石膏ボード、とご丁寧に記載されてはいなかったです。

まあ、それは素人だったから気がつかなかった、と言ってしまえばそれまでです。

断熱材

石膏ボードと同様に、壁や床の内装材に使われているのが断熱材です。
一般的にはグラスウールが一番多く使われていますが、石膏ボードほど多様されていません。

グラスウールの素材は、名前でピンとくるかも知れませんが、ガラスを繊維状にしたもので、ガラスくず、です。
ですから、分類が「ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず」となります。

断熱材としては、ロックウールもよく使われています。
これは鉱物を繊維状にしたものです。
これも分類は「ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず」です。

私が回答できなかった理由

理由は石膏ボードと同じです。

  • リサイクルに出していることを知らなかった

石膏ボード以上に廃材としての量が少ないので、運搬する機会はもっと少ないです。

最も、グラスウールが即答できない時点で、物を知らない訳です。
グラスウールそのものが、そもそもリサイクルガラスから出来ています。

私が勤めているでは安定型の処分場を持っていますが、グラスウールは埋め立てせずに再資源化施設に運搬しています。

まとめ

石膏ボードと断熱材を例に記載しましたが、建築物には様々な素材が使われています。

要は廃材について知っていないと、適正に処理できない、です。

まあ、無知な私が悪かったのです。

書いた記事が少しでも参考になれば、幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。