実務

道路使用許可申請書(工事)の書き方や作成のコツ|申請の手順も解説!

土木の工事で道路を使うことは多いですよね。
当然、道路使用許可が必要になりますが、事務員さんが取っていて、申請方法が分からない? という方もいると思います。

という疑問を抱えてる方の悩みを解決する記事になっています。

なぜなら、私が普段業務で道路使用許可申請書を作成し、許可を得ている手順だからです。

記事では、実際の取得の流れに従い、道路使用許可書の作成のコツを私の経験を踏まえながらご紹介致します。

本記事を読み終えることで、道路使用許可書の作成方法を知ることが出来ます。

道路使用許可書の申請の流れ

道路使用許可はいきなり警察に申請を出せばいいものではありません。
私も入社するまで知りませんでした。
下記の手順で申請することになります。

1.道路を管理している道路管理者(国土交通省、都道府県、市町村)に申請する2.必要に応じて、消防署に通行支障を申請する
3.警察署に道路使用許可を申請する

では、具体的に説明致します。

道路を管理している道路管理者に申請

一番手間がかかると思われるのが、この道路管理者への申請です。
道路管理者は次のようになっています。

・国道は国土交通省(国道事務所)管理と各都道府県・政令指定都市管理に別れる
・都道府県道は各都道府県・政令指定都市
・市町村道は各市町村
・法定外公共物(里道)は各市町村

国道について

国道は全ての国道が国土交通省(国道事務所)管理ではありません。
国道事務所管理の道路は実は決まっています!

参考に出してのは山口河川国道事務所です。
山口河川国道事務所で管理している道路は、国道2号、国道9号、国道188号、国道190号、国道191号の5つのみです。
他の国道は各市町村が管理となります。
例えば、国道2号線は山口県を横断していますが、管理は区間によって更に5つの事務所に分かれます。

と、問い合わせ先が非常に分かりにくいです。

例として山口県を書きましたが、全国も同様に、細かく管理する事務所が分かれていますので、工事する道路がどの事務所管理か、を理解する必要があります。

届出先は各国道管理事務所です。

最も、公共工事を担当している会社であれば、どの事務所に問い合わせればいいかは、会社の情報としてお持ちだとは思います。
担当している事務所によって申請書などフォーマットが決まっていますので、それに従って申請することになります。

申請のポイント

・道路の規制のための看板の種類、位置などはサンプルに従う(図面のサンプルを貰えると思います)
・道路をどの程度使用するのか、足場等であれば、足場の形状まで細かく図示する必要がある

工事の開始までに余裕を持って、しっかり準備することをおすすめします。

都道府県道について(国土交通省管理以外の国道含む)

これも各都道府県・政令指定都市で管理する土木事務所が分かれています。

届出先は各土木事務所になります。

片側交互通行などの道路規制については、国道と同様にサンプルが決まっている都道府県もありますので、それを参考して作成することになります。
県道についても足場による一時占用について図面を書いたことがありますが、それほど大きな県道ではなかったので、規制看板の位置なども150m手前でした。
基本的に大きな道路ほど規制看板が多くなると思います。

市町村道について

私が一番図面を書いているのが、市町村道です。

各市町村でフォーマットが異なりますので、Webサイトで確認や問い合わせを行って下さい。

市町村道においては、自治会長の同意書が必要となるケースもあります。
自治会の同意書 → 各市町村事務所、という順番になります。
また、道路名(~線)など、申請書や同意書に道路名の記載が必要な場合もありますので、担当の市町村に確認して下さい。

法定外公共物(里道)について

一番聞きなれないのが、法定外公共物だと思います。
里道、あるいは赤線・青線と呼ばれるものです。
昔からの生活道路が法定外公共物であることが多いです。

土木の工事で法定外公共物を使用することはほぼ無いと思いますが、建物の解体などでは、法定外公共物に足場を設置することがあります。

法定外公共物はゼンリンなどの地図にも掲載されてない場合があります。
私が担当した道路では記載がなく、問い合わせたら法定外公共物だった、という場合もあります。
法定外公共物かどうかの確認はやはり各市町村に確認してください。
また、法定外公共物も自治会の同意が必要となることが多いです。

道路管理者への申請

工事を実施する道路管理者がはっきりすれば、そこへ申請となります。
道路専用の場合、専用料が必要となる場合もあります。
一番最初に行うのが道路管理者への申請です。
大体、以下の書類が必要になります。

・位置図
・規制を含めた平面図
・工事の概要や詳細
・占用においては断面図、並びに占用する道路の写真
・必要であれば自治会の同意書

 消防への届出

道路管理者への申請の次は、消防への届けです。

・全面通行止めで迂回が必要な場合などは必ず申請

全面通行止めを実施する場合は、道路管理者へ迂回路も届け出ることになりますが、消防への届出も必要になります。
緊急車両・救急員が通行出来なかったら問題だからです。
届出が必要かどうかは担当の消防署で異なりますので、しつこいようですが、確認の問い合わせが一番です。

警察への届出

最後にようやく警察署への届出となります。

・届出は管轄署で個別に
・工事の一週間前には届出を

工事で管轄が別れることは、ほぼ有り得ないとは思いますが、道路使用許可は管轄署単位です。
また工事の一週間前には警察に届出を実施した方がいいです。
警察が最後ですから、道路管理者にはそれ以前に許可をもらう必要があります。
届出に添付する書類は下記になります。

・道路管理者の許可証、並びに道路管理者への届出書類一式
(位置図、保安平面図など)
・必要であれば消防の許可証

つまり、警察に申請しようとすると、その準備段階で書類が揃うことになると思います。申請書は各警察署で異なりますので(広島県ではバーコードの貼付が必須のようです)、やはり確認をお願いします。

まとめ

工事で道路使用許可申請書を書き方について、私の体験を元に書きました。
細かいことは、それぞれの管轄で異なりますので、あくまでも例です。
個人で工事のために道路使用許可申請書を書くことはほとんど無いと思いますし、各会社でのノウハウもあると思いますので、参考程度にして頂けたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。