現場

現役事務員が解説|土木の仕事がきついと言われる3つの理由と対処法

土木の現場のイメージというと、一般的にきつい職場、というイメージがありませんか?
きついは3K(きつい、汚い、危険)の1つですね。
私も転職して働き出すまでそんなイメージしかありませんでした。

そんな疑問をお持ちの方の問いに答える記事になっています。

なぜなら、土木の仕事は実際にはきついだけではありません。
当然、それに対しての対処法がなければ、土木の仕事をする人はいなくなってしまいます。
転職したことで気づいた、理由と対処法を説明致します。

記事の前半ではきついと言われる3つ理由を説明し、後半ではその対処法について説明したいと思います。

この記事を読むことで、土木の仕事に対する印象も変わると思います。

きついと言われる3つの理由

では、具体的に3つの理由を書きます。

・体力的にきつい
・危険
・仕事の割に給料が安い

3Kでいう「汚い」ではなく、「給料が安い」になっていますが、「汚い」よりも「給料」の方が問題だと思うので変更しています。

 体力的にきつい

工事現場では常に屋外での作業になります。これは仕方ないことです。

どんなに暑くても、どんなに寒くても、現場が完成しない限り仕事は終わりません。

現場での安全を考慮して、強風の際や、あまりにも大雨の時などは工事が中断することはあります。
昨年の夏は特に暑かったですが、それでも安全のため、ヘルメットを被り、長袖・長ズボンでの作業は本当に辛いものがあります。
冬は冬で、場所によっては除雪作業をすることがあります。
寒い中、真っ先に仕事をしないと、他の人が生活出来ませんので、これはこれで重要な仕事です。

重機を使った作業も多いですが、それでも土を運んだり、鉄筋を運んだり、清掃や後片付けなど、人の手でしか出来ない仕事も多いです。
また重機を運転するには特別な免許が必要であるため、最初のうちはどうしても力仕事が中心になります。

こうしたことから、体力的にはきついです。

危険

工事現場では、常に安全を意識しています。
それでも下記のような危険はつきものです。

・高所からの転落
・重機での巻き込まれ、はさまれ
・重い物が足に落ちる

一歩間違えば、命の危険もあります。
こうしたことから、デスクワークより事故の確率が高いのは事実です。

仕事の割に給料が安い

これは一般的な話ですが、土木作業員の給料は安い、と言われています。
それはあくまでも一般の土木作業員のことです。

  • 学歴不問
  • 年齢不問
  • 資格不要

といった門戸が広いことや、日雇いの場合だとそうなります。

対処法

では、これらの「きつい」ことばかりか? というとそうではありません。
対処法も考えられています。

・体力的な話
「しっかりと休憩時間を取る」
「単純作業の繰り返しではないので、日によって作業が異なる」

・危険の話
「重機の進歩やIT化で危険な仕事は減っている」
「KY(危険予知)活動などで、危険箇所・危険作業の認識を共有する」

・給料の話
「重機の免許や、国家資格の取得などで昇給が見込める」

それぞれ解説したいと思います。

体力的な話

まあ当然ですが、休憩時間はしっかり取ります。
お昼の休憩以外に10時、15時の休憩も取ります。
また、長時間の残業を伴うような無理な日程も組まないことが多いと思います。

それに同じ現場でも、工事の進捗によって作業はことなります。
例えば、ガードレールの設置工事などでは、下記のような作業の順番になります。

1.ガードレールを設置する場所を掘る
2.ガードレールを支持するための基礎を作る
3.実際にガードレールを設置する

このように作業の進捗により、全く違う作業になります。
確かに、この1日は体力的にきつかった、という日はあると思いますが、それが継続するわけではありません。
体力的にきつい仕事を延々とするわけではありません。

危険の話

最近では技術の進歩も目覚しく、重機の遠隔操作や自動化なども進んでおり、積極的に導入している企業もあります。
それにより、危険な作業も減少しています。
また、毎日KY活動を実施し、安全管理は最重視されています。

安全に関しては、個人の意識が一番大切だと思うので、そういう教育はしっかりとします。
実際に会社でも毎朝朝礼で、作業内容の確認と、安全についての情報を共有しています。

給料の話

まず重機のオペレーターになることで、昇給が望めます。
重機オペレーターが無理でも、大型自動車免許を取る、という方法もあります。

また、1級や2級の土木施工管理技士、という資格を取って、現場監督をする、という方法もあります。
「1級土木施工管理技士 求人」とかで検索すると分かりますが、条件のいい求人が沢山でてきます。
この1級土木施工管理技士、というのは、会社の評価に繋がる、経営審査の点数にも繋がるので、会社としても積極的に支援してくれる会社が多いと思います。
これらの資格については、取得を支援してくれる会社が多いのも事実です。
会社によっては、資格取得のための費用を全部出してくれるところもあります。

なので、最初は給料が少なくても、資格を取得してステップアップすることで、給料を増やすことは可能です。
私も現在、2級土木施工管理技士の資格試験の勉強をしています。

まとめ

きつい」ということで、解説しましたが印象は少しは変わりましたでしょうか?

・体力的にきついのは事実だが、同じ作業の繰り返しではない
・危険な作業は減っており、また個人の意識で変わる
・資格を取得しステップアップすることで収入アップが見込める

個人的には他にも「きつい」仕事はあると思います。
どう受け止めるか、だと思っています。

土木の仕事は形に残る仕事です。
道路、堤防、橋、トンネルといったものだけでなく、田んぼの区画整理なども土木のお仕事です。
自分が作ったものが地図に乗り、皆に使ってもらう。
魅力的じゃないですか?

いきなり印象が変わるものでは無いとは思いますが、普段目にしている道路などが、どうやって作られたんだろう? と考えてもらえると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。